過去ログ


動物保護施設

<弘人視点>

俺(弘人)と浩介は幼いころからの友達で、お互い動物が好きで同じ仕事場に入った。
動物の保護施設だ。

外国からまだ絶滅していない希少な狼が運ばれてきた。俺と浩介は優秀だったため、最初二人でその狼の担当を担うことになっていたが、黒豹も施設に受け入れる事になり、そちらの担当を浩介が受け持つことになった。

俺は狼の世話などいままでしたことなかったので様々な参考書などを読んだり人から聞いたりして世話をした。朝、手を噛まれてしまった。迂闊だった。慎重さが足りなかったようだ。手からは血がぼたぼたと落ち、仕方なく施設内の治療スペースで包帯を巻いてもらった。
しかし一ヶ月経っても怪我は癒えなかった。歯型がくっきりと残っている。
「普通はもう治ってるはずなんだけど」
と医者は言った。
「そうですか」
俺はしばらく様子を見る事にした。

浩介は黒豹の世話に苦戦しているようだった。
一週間後、黒豹は病気で倒れそのまま死んでしまった。謎の死だった。貴重な黒豹を管理不足から殺した! と上司から言われ、浩介は罪悪感から仕事をやめてしまった。俺は何度もそれを止めたが、
「前々からやめようと思っていたんだ、丁度良かったぜ」
と浩介は聞く耳を持たなかった。

俺は狼に噛まれてから、体に異変が起きていた。
普通は調子が悪くなるはずなのだが、逆に、体の調子が異様によくなっていたのである。

朝はすっきりと起きる事が出来る。一日中働いても疲れを感じない。それだけではなかった。最近、体が少しずつ筋肉質になってきているのだ。あんなにガリガリだった肉体が、今では胸筋が明らかに盛り上がっているし、肩幅は広くなっている。尻も引き締まり、腹筋も割れたのだ。
それだけではなかった。今まで仕事の疲れでオナニーなんか出来なかったが、今では性欲が旺盛になり、一日三回もオナニーし射精してしまう。今まではまったく意識していなかったが、体格の良い男やハンサムな男を見ると興奮するようになってしまった。

昔は肌を露出する服が嫌いだったが、逞しい体になった今では積極的に露出の多い服を着るようになり、精神的にも余裕が生まれ、ちょっとしたことでは動じないようになった。食生活の面では肉を食べる割合がかなり多くなった。体が肉を欲している、そんな気がするのだ。

ある晩、狼に噛まれた右手が異様に痛かった。
見ると、その傷がみるみるうちに治っていっている。肉眼ではっきり見る事が出来るほどの早いスピード。
次の瞬間、腕から茶色い剛毛が生えてきた。
正確には産毛が抜け、新しい毛が生えてきたのだ。それが、茶色の剛毛。それはあっというまに俺の腕を覆っていく。
「な、なんだこれは……」
汗が噴出した。腕だけではなかった。胸、腹、背中、足、指先まであっという間に全身毛で覆われていく。最後に顔中から毛が生えてきて、口が裂けた。血がぼたぼた落ちながら、口と鼻は前へと突き出していき、瞳孔は細く鋭くなり、爪はタカのようだった。その姿は明らかに「狼」だった。おれは、「狼男」になったのか?

「うっ…」
ペニスが見事に勃起した。我慢汁が滴り落ちている。
「うおっ」
射精。物凄い量だった。
「うおっ、うおっ、うおっ」
ドシュっ、ドシュッ、ドシュゥゥゥッッ!!
射精が止まらない。
勃起したペニスは激しい射精を繰り返しながら、どんどん大きさを増していった。長く、太くなっていく俺のペニス。
「うおッ、うおおおおおおおおぉオオぉぉぉぉッ!!」
同時に、俺の肉体はさらにムキムキになっていった。胸板は分厚く盛り上がり、肩は岩のような筋肉がのり、腹筋はボコボコに六個に割れた。腕と足は血管を浮き上がらせてぶっとく変化し、腰は引き締まり、肩幅は広くなる。激しい快感に包まれながら、俺は完全な狼男へと変身したようだった。
最終的に勃起した状態のペニスは二十センチを超え、全身の筋肉を余すところなく剛毛に覆われた逞しい肉体の俺??。

そして俺は、今まで自分が黒豹に性的興奮を覚えていたことを思い出し、保護施設へと向かった。狼男の身体能力をもってすれば、あっという間につく場所にある。

<浩介視点>

俺は今日から黒豹の飼育係りになった。
黒豹の檻の中に入る事はめったにない。
外から食事の世話がしっかり出来ているようになっているからだ。

俺は肉食獣を見るとなぜか興奮してしまう。
だから黒豹の世話をするとき、密かに勃起した。
男も好きだった。弘人は親友であり、俺の性的対象であったりする。相手には気づかれていない。

ある日、黒豹が酷くぐったりしているときがあった。
飯を食わず、まったく動かず、それが二日続いた。

俺は飼育係りだから黒豹に死んでもらったら、なかなか困る。
だからわざわざ檻のカギを開けて、入った。
カギを開けるときのガチャンという男に、黒豹は反応したように見えた。耳がぴくん、と動いた。
檻の中を掃除することにした。今日は残業である。
他の社員は、別のところを担当しているから、俺の近くには誰もいなかった。
モップを持って床をゴシゴシ磨いていると、突然、大きな物が俺の背中に被さってきた。
黒豹だった。
二日間動いていなかったから油断していた。
気づかなかった。
音もなく近づいているなんて、予想外だった。
反射的に「殺される!」と思った。
黒豹は俺にのしかかる。
あまりの重さに俺は呼吸が出来なくなる。
俺の上から黒豹はどいたと思ったら、今度は俺の作業服を全てその鋭い爪で切り裂き、俺の見事に勃起していたペニスをぺろぺろ舐め始めた。
なんなんだこの黒豹は……。
しかし俺は興奮していた。
立ち上がり周囲に誰もいないことを確かめると、黒豹の後ろに回り、黒豹の肛門に俺のペニスを挿入した。
肛門はざらざらと少し硬かった。
ぎゅッ、ぎゅッ、と何度も挿入を繰り返し、イった。
「うお…」
と俺は声を洩らす。

黒豹は以前のように元気になった。
それからというもの、俺と黒豹は施設の就労時間が終わり、深夜になると、毎晩ファックした。
ファックといっても、俺の一方的な射精だったが…。
黒豹は俺の全身をひたすら舐めてくる。
黒豹を見るだけで、俺のイチモツはカチコチに反応してしまうようになった。

しばらくすると、まだ誰も目を醒ましていない、早朝にもファックするようになった。黒豹とファックし始めてから、俺の性欲は前より旺盛になった。肌は浅黒くなった。まるで黒豹に近づけたようで、嬉しかった。

「黒豹は死んだ」
と飼育長は言った。
やっぱりな、と俺は思った。
どうしてそう思ったのかはわからなかった。
ただ、そう思った。

タテマエ。
「動物を死なせてしまったショックで」
本心。
「黒豹がいない施設にはもう興味がない」
つーことで動物保護施設をやめることにした。

ベッドに横になった。窓、カーテンの隙間から、月光がうっすらと洩れてきている。静かな夜だった。電気はつけていないから、部屋は暗い。真っ暗とまではいかない。
背中にうっすら汗をかいている。背中は、まだ、同僚の「おつかれさま」という言葉を覚えているようだ。
黒豹と、弘人のことを思い出した。
思い出すだけで、勃起した。ズボンを下ろして、ペニスを握る。
弘人も施設をやめたと聞いた。俺と一緒じゃねえか、と思いながら、しごいた。
その予感の直後、全身が熱くなってきた。服を脱いで、全裸でベッドに横になる。
「うッ……」
全身に、電撃が走ったような痛み。
「うッ、ううッ……」
ミシミシと胸板が盛り上がっていく。
平らだった胸板があっという間に筋肉で膨らんでいくのが視界に入った。
ペニスは最高潮に勃起し、臍まで反り返っている。
胸筋が盛り上がっていく快感に、射精してしまう。
「うおおおおおおおおおおおおぉおぉぉぉぉぉぉッ!!」
ブシャアァ!!
精液は腹に飛び散る。こんなに沢山一気に出たのははじめてだった。俺はその精液を手で胸に塗りたくなった。乳首に手が触れると、ビクンッ、と反応してしまう。
「あッ……」
腹筋が「ボコッ」と割れていく。
割れた腹筋は、一つ一つが盛り上がって見事なものに変貌を遂げる。
「うぐッ、うぅッ」
肩幅が広くなっていき、腕はぶっとく、筋肉で膨らみ上がる。手を動かしていないのに、筋肉量の増加で胸板と腕の筋肉がぶつかりあった。
もぞもぞと肩が引っ張られるような感じがして、肩の筋肉がぐぐぐぐ、と盛り上がっていく。
「ハア、ハア、ハア……」
首は太くなり、腰は引き締まる。
背中に筋肉が包みこむようにメキメキと盛り上がって言った。
「うおッ、うおおおッ!!」
ドシュッ、ドシュッ、ドシュゥゥゥッッ!!
射精が止まらない。ビクンッ、ビクンッ、と反応し、射精するたびにペニスがでっかくなっていく。
見事な上半身が完成した。
逞しいその肉体は、カーテンの隙間から漏れる月光に照らされた。
それだけで俺はもう軽く二十回近く射精していたらしい。ベッド、窓、カーテン、床、胸、腹、脚、手など、あちこちに大量の精液が飛び散っていた。
精液でべたべたになっているのは、心地よかった。
手の甲に付着していた精液をべろり、と舐めた。
「お、おお、ぉ……」
今度は下半身が強化されていく。見事に足は太くなり、しかし筋肉で引き締まっている。
ペニスに目をやると、勃起して15センチだったペニスは今では21センチになっていた。
太さも前と比べ物にならないほど極太になっていた。
太い血管が絡みつき、逞しいペニスは激しく反り返り、先走りをドクドクと垂らしていた。
思わずその長大極太ペニスを強く握り締めていた。
握るだけでビュッ、と精液が飛び散った。
ペニスを右手で何度かしごく。
ぐぐ、と力が入り、ますます反り返って、根元に力が入ったかと思うと、
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ブシャア!ブシャアアアアア!!
二度や三度の射精ではなかった。一気に十回もヤってしまった。しかもまだ全然発散できていない。
「ハア、ハア、すげえ、俺、俺は、どうしちまったんだ……?」
ドクンッ、ドクンッ、と心臓が脈打っている。汗と精液に俺は塗れていた。
こんなに出したのに、物足りない。まだペニスは激しく勃起している。
俺は洗面所にいき、鏡に自分の肉体を映した。
分厚い胸板、盛り上がった肩、ボコボコに割れた腹筋、引き締まった腰、広い肩幅、ぶっとい腕、反り返った特大ペニス、強靭な下半身……
明らかに三十分前の俺とは違う、ムキムキな肉体だった。
「最高だ…」
どうしてこうなったのかわからなかったが、とにかく最高だった。
どうやら身長も高くなっているようだった。175センチだった身長は185センチくらいになっていた。
そのときだった。
「ッ!」
全身の毛穴から汗が噴き出し、俺の肉体を黒い剛毛が覆いつくしていった。筋肉を余すところ無く覆う。
顔の鼻と口の部分は突き出していき、耳は変形して、頭の上あたりに移動していく。
瞳孔は細くなり、目つきが鋭くなった。
牙が生えてきて、背筋は若干曲がった。
黒い剛毛はうっすらと豹の模様が浮かび上がっていた。
鏡を見ると、俺は、筋骨隆々の頑健な、黒豹男になっていた。
頭は黒豹そのまんまだった。
自分の顔を手で触って見ると、やっぱりそうだった。夢じゃない。
胸を触ると、剛毛で覆われた下に分厚い筋肉を感じた。
全身の筋肉はさらに発達していた。
ペニスも成長しており、さらに3センチほど長くなっていた。ますます赤黒くなっていた。見事に反り返り、ヒクヒクと臍に密着していた。
「ハッハッハッハッ……」
尻に触れると、長く太い尻尾が生えていた。尻尾は自在に動かせた。手を使わずに、ペニスに尻尾を巻き付けて、しごいた。
「うッうううぅゥうぅ……ッ」
快感がハンパじゃなかった。足の裏から頭の天辺までを突き抜けるような快感に、俺は我を失いそうになった。
「イ、イクッ、イクゥゥゥゥ??ッ!
ペニスが一瞬ビクンッ、と太くなったかと思うと、根元が膨らみ、血管が太くなり、亀頭の部分はパンパンになった。次の瞬間、
ブシャッブシャッブシャアアアアアアアアアア!!!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおぉおぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」
精液を盛大に放出した。
総毛がよだつ気持ち良さに足がガクガクと震えた。

脳裏に、弘人の姿がよぎった。
目を開く。
今のは……夢じゃない。
本能的に察知した。
あれは、予感なのだ。夢じゃなくて。
予感の中の弘人は、人間の姿じゃなかった。
狼の姿だった。
狼男――。

弘人を犯したい……。
俺は、弘人の元へ向かうべく、施設へと向かった。

<弘人視点>

俺が施設に向かったのは、浩介がいる、という確信があったからだった。
どうしてそのような確信に至ったのかはわからない。
獣の本能、といってもいいかもしれない。
俺は施設に到着すると、人間を片っ端から殺していった。
美味しそうな死体だけを食べ、腹を満たした。肉を食べるのは気持ちがよく、射精しまくった。クチャクチャと肉を咀嚼する。
血まみれになって肉を食らっていると、同じく、血まみれになって肉を食らっている獣の匂いがした。
俺はその匂いをたどっていくと、黒豹男がいた。すぐに浩介だとわかった。
黒豹男は俺以上にムキムキで、チンポもでかい。
俺達は激しくファックをした。
黒豹男の特大イチモツが俺のアナルに挿入されると、こっちも激しく勃起し、犯されているうちに射精してしまった。
ファックしているうちに俺の肉体はさらに進化を遂げ、黒豹男と同等の肉体を手に入れた??。
「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
ドシュッ、ドシュッゥぅぅぅぅ!!!
射精量がかなり多く、しかも人間の時の精液より密度が濃くなっているらしく、より粘着性と白さが増していた。
その精液を浩介の逞しい裸体にぶっかけてやった。俺達はお互いの精液でまみれた。
俺のペニスはあっという間に黒豹男に匹敵するものになった。
胸の筋肉はうずき、盛り上がっていく。
肉体がでっかくなっていくのがわかる。
どうやら俺達はファックすればするほど自分の肉体の獣化・進化をすすめることができるらしい。
俺は浩介のペニスを舐めた。精液が放出され、俺はそれをゴクゴク飲んだ。美味かった。味覚も変化しているようだった。
今度は浩介が俺のペニスを口に含んだ。ざらざらとした舌にペニスをからめとられ、あまりの快感に俺は身をよじった。口でカリの部分を何度もしごかれ、イった。
「ハア、ハア、ハア……」
俺は浩介のアナルにペニスを挿入した。
ぐっぐっぐっと思いっきり入れていく。先走りの精液がグチャグチュいった。浩介のアナルはヒクヒク反応していた。容赦なく挿入していく。特大サイズのために挿入するのには時間がかかったが、一旦挿入できるとあとは簡単だった。
ピストン運動で相手を攻めていく。激しく腰を振る。ペニスはアナルの中の肉に揉まれて心地良い快感とともに射精を繰り返す。俺は浩介の逞しい背筋に分厚い胸板を重ねて、体重をかけた。項をべろり、と舐めてやった。
「今度は俺にヤらせろ」
と浩介は俺を突き飛ばして、俺のアナルにペニスを挿入した。
ズブッ、ズブブブブッ……
「うッ」
と最初俺は呻いたが、段々快感に変わってゆく。
「うおッ、うおッ、うおおおおおおおおおおおおおッ」
獣人となった俺達は、獣人としてファックを楽しんだ。



狼男のキグルミ



 俺と誠也はゲイで、親友だった。
 今日は俺の家には誰もおらず、誠也を部屋に呼んだ。
 部屋で俺たちは裸になり、お互いのペニスの大きさやプロテインでの筋トレの成果を見せ合うことにした。
 誠也の体はほとんど筋肉がついていなかった。
「ガリガリじゃねえか……」
 俺は笑う。しかし誠也のペニスが勃起していないのに逞しいものだった。俺はそれがすごくうらやましく、それが筋トレの原動力になっていた。
「お前はいい体してるからいいじゃねえか」
 と誠也は言うのだが、ペニスの大きさは鍛えたら大きくなるわけではないので、鍛えたら筋肉がつくような肉体の努力が、ペニスには適応されない。
「そこで、だ」
 と誠也はいった。
「何だ?」
「俺、今日お前のためにすげーもん買ってきてやったんだぜ?」
「早く教えろよ」
「狼男の着ぐるみだ」誠也はニヤリと笑った。
「……はあッ? お前俺をおちょくってんのか」俺はイラついた。
「まあいいからこれ着てみろよ」
 と誠也が大きいカバンから取り出したのは、緻密に作りこまれた狼男を丁寧に再現した着ぐるみだった。
 「着ぐるみ」というのが阻まれるくらい、それはリアルに作りこまれていて、俺は絶句した。
「すげえだろ」
「ああ」
 噛み付いてきそうなくらい、今でも動きそうな着ぐるみが、怖くなった。
 着ぐるみだというのに、狼男を追及して特大のペニスまで精巧に作られている。
 誠也に促され俺はパンツをはいて着ぐるみを着ようとしたら、
「駄目だ」と誠也がいった。
「何処が?」
「パンツ穿くな、全裸になって着用しろ」
「チンポ臭くなっていいのかよ?」俺は笑った。
「かまわん」心なしか、誠也がニヤっとした気がした。
 俺はパンツを脱ぎ、全裸で着用した。
 恐ろしく着ぐるみが肌に密着した。
 ペニスの部分に自分のを入れるのに苦労した。狼男の着ぐるみのペニスに、俺のペニスの大きさはとどいておらず、隙間が出来た。
 頭の部分を被った。目の部分がちゃんと見えるように設計されていなかったのに、着ぐるみを着ていないときのように視界がクリアだった。
 呼吸も普通に出来、よくいわれる熱気が外へ出ず暑苦しいことはなかった。
 身長も俺とぴったりだった。
 誠也ももうひとつ用意していた着ぐるみを着た。
 鏡を見ると、筋肉の隆起する逞しいペニスの狼男になっていた。
「すげェ……」
 俺はつぶやいた。
「脱いだみろよ、着ぐるみ」
 と誠也はいった。
「ああ」と俺は答える。
 着ぐるみを脱ごうと背中にあったチャックを探した。
 しかし。
「あれ? チャックがなんかなくなってるような」
 俺はいった。
「なあ誠也、俺の背中のチャック、あるよな?」
「ないぜ?」誠也はいった。
「あッ? マジか?」
 ククっと、誠也は笑った。まだ気がつかねえのか、とでも言いたげだ。
「その着ぐるみは、もう少しでお前の体に完全に密着して、いや、違うな、密着するように肉体を活性化させてくれるんだ」
「……どういう意味だ」俺は誠也を見つめた。
「だからもう少しでお前と俺の体は、この着ぐるみのようになるんだ」
「ふざけるのも大概にしろよ、馬鹿なことばっかいいやがって」
「どうかな」
 と誠也が言った後、俺の心臓はなぜか、
 ドクンッ!
 と脈拍を強く打った。脈拍のペースが早くなり、すごくその音が聞こえてきた。ドク、ドク、ドク、という感じの音が、今ではドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、というのだ。
「うおッ」 体に着ぐるみがものすごい勢いで食い込んでくるように密着してきて、俺は叫んだ。
 自分の中にある何かがバーンと弾けた気がして、俺は??。



『聞こえるか……?』
 という声が、心臓が激しく脈打ち意識が混濁する中で聞こえた。
 「聞こえる」と俺は答える。するとまた、
 『お前は、これからオレと混ざり合い、“狼男”になるのだ』
 という声が再びした。俺は「ああ」と答えた。何だかひどく気持ちよかった。
 次の瞬間、現実に引き戻されたように激痛がした。
 体の中で野獣が暴れまわっているようだった。
 着ぐるみが俺に密着して来たのかと思っていたが、違った。
 俺の肉体が、着ぐるみに密着していったのだ。
 誠也の言っていた「この着ぐるみは人間の体を活性化させてくれる」とはこのことだったのか。全身の細胞がひしめきあいながら、俺の肉体は強靭なものへと変化していく。
 筋肉が一気に隆起していき、着ぐるみ通りの逞しいそれへと変化していく。ペニスも成長し、肌の色も男らしい小麦色になっていった。
 強烈な快感に襲われ、射精した。

 しばらくすると着ぐるみが一気に脱げてしまった。
 着ぐるみのペニスの部分には俺の精液がべっとり付着していた。
 鏡を見ると、一匹の狼男が赤黒い大きなペニスを反り返させていた。
「これが……俺……」
 胸は分厚く、肩には筋肉が盛り上がり、肩幅も広く、二の腕も逞しく、腹筋もボコボコに割れ、足もガッシリとしていた。爪がタカのように長くなっており、犬歯も鋭くなっていた。その筋肉が隆起する全身を銀色の剛毛が覆い尽くしている。
 そのとき、
 ――ドスっ!
 という衝撃をアナルに感じた。
 異物感を覚えたあと、後ろから誰かにきつく抱きつかれた。
 狼男になった誠也だった。
 誠也は後ろからガンガン俺のアナルにペニスを挿入していった。
「うっ、うっ、うっ」と俺は後ろから突かれるたびに声を上げた。ハアハアという誠也の呼吸が俺の首筋に当たった。
「せ……い、や……」
 俺は犯されながら呻いた。もっと俺を激しくファックしてくれという意味だ。長く太いペニスをすっぽり挿入すると、そのまま誠也は俺をベッドに倒した。
 誠也は激しく腰を振りはじめ、
「うおっ、うおっ、うおおおおおっ!」と叫んでいた。
 射精する寸前、俺たちは、
「「うおおおおおおおおおおおっ!!」」
 と二人で叫んだ。
 狼男に目覚めた俺たちは射精が止まらなかった。



 俺は今までこんなに強烈に性欲に襲われたことがなかったので、射精を繰り返していないと発狂しそうだった。
 ハッハッハッハ……。
 と尻尾を振って俺に犯されている誠也のアナルに、ペニスを挿入し激しく腰を振る。
「あっ……!」
 と俺はまだ射精するつもりではなかったのに射精してしまった。
 立て続けに二回、三回、四回、と射精を繰り返す俺にもう歯止めは聞かなかった。
「うおおおおっ」と叫びながら快楽を必死で貪る。
 狼男には本能しか必要ないのかもしれない。

 誠也の筋肉が盛り上がっている背中に体を重ね、より深く快感を得ようとしていたとき、体が急に燃えるように熱くなってきた。
 誠也もそうらしく、俺たちはお互いの体の熱さにばっと身を引いた。
 汗が噴き出し、しばらくしたら全身の毛が一気に抜け落ちていった。
 体も人間のそれに戻った。
 しかし筋肉質なのは変わらなかった。ペニスも大きいままだ。
 カーテンの隙間からは朝日が漏れている……。
 そういうことだったのか、と俺は思った。もう朝になっていたのだ。
「俺は……」
 狼男に、なれたのだ。
 ようやく確信した。
 嬉しさがこみ上げてきて、ペニスを扱いて自慰をした。
 俺たちの周りには物が散乱し、精液にまみれていた。
 誠也が俺の乳首をいじって、俺はまた射精してしまう。乳首に弱いのだ。
 鏡を見ると、顔も引き締まり幾分精悍そうになっている。
 人間の状態でいるのに、黒目が凶暴そうな深紅になっていた。
 カラーコンタクトをしているようだった。
 狼男になることが出来て、最高だ。俺は逞しい胸板を触りながら思った。

 夜が再び訪れた。
 雲間から月が現れる。
 俺たちを再び強烈な快感と痛苦に苛まれながら、狼男に変身する。
 骨がボキッ、ゴキッ、といい、身長がぐんと伸びる。
 ペニスはカチコチに硬直し、牙が鋭くなる。
 鼻先が前に突き出し、頭が狼のそれになっていく。
 筋肉がさらに躍動するように発達していく??。

「アオオオォォォォォォン!」
 狼男の遠吠えが街に響く。
 二匹の逞しい獣の咆哮だった。
 狼男になってから性欲を満たす行為ばかりしていたので腹が減っていた。
 何か食べようと思っても、冷蔵庫には食欲をそそるものはない。
 そのとき、心臓がドクンと強く脈打ち、俺の中の本能の声がした。

『人間どもの肉を喰らえ、貪れ』
「俺は人の肉だけは食べたくはない。そこまで落ちぶれたくない」
『狼オレの言うことをお前は従っていればますます逞しい狼男になれるぞ』
 俺の中の本能が、俺の精神を蝕む。
 人なんか喰ってしまえよ。ともう一人の俺が叫ぶ。
 その瞬間、急に心臓を締め付けられるような激痛に襲われた。
「??うッ!」
『喰え、そうすればお前は人間でいるときの体を獣化出来るぞ』
「やめてくれ……」
『喰わなければ、もっと痛くするぞ。最後には死んでしまうぞ』
「うおおおおおおおおおッ!!」
 気づいたときには、俺の前には腹の肉が抉られた血まみれの人間の死体があった。
「俺は一体……?」
 誠也が俺の背中を軽くたたいて、
「いい喰いっぷりだなあ、お前も。俺も旨くて喰いまくったぞ。なんか人間の肉を食べるたびに自分の何かが解放されてく気がするよな」
 俺は我慢できず人肉を貪ってしまったようだった。

 その日から、俺は、人間であることを捨てた。



 人を喰ったときの快感が忘れられない。
 鋭くなった爪で相手の腹を裂き、
 吹き出る真っ赤な血に染まりながら尖った牙で肉を貪っていく。
 蹴る、殴る、強姦する、そして殺す。
 思い出すだけで、勃起して射精までしてしまう。
 俺の中の狼が告げたように、人を喰ってから体はますます逞しくなり、パワー
が漲るようになり体の調子が物凄く良くなった。
 成長したチンポの大きさに合わせるように、陰毛は伸びてふさふさするように
なった。
 勃起していない状態でもパンツを穿くと、股間の部分を強く押し上げ、盛り上
がっていた。
 体毛は濃くなり体臭がきつくなった。
 獣化のせいか、服を着ているのが不自然に感じられるようになり、家にいるときも外に出るときも全裸で過ごすようになった。警察に捕まるときがあったが、そのときは警察を半殺しにした。
 常にペニスが熱を帯びているように感じられる。
 ここ一週間で俺の体はみるみるうちに変貌したのだった。
 体重計に載ると73キロになっていた。
 身長−105が理想の体重だから、身長が177センチの俺の理想の体重は72キロだ。狼男になる前は56キロしかなかったので、全て全身の筋肉が発達して盛り上がった重みだった。

 夜になるのが待ち遠しい。
 早く月を見て、狼男に変身したい。
 変身する際の強烈な快感は何度味わっても色あせることなかった。
 そう思いながら誠也と体を交える。
「イかせろ……」誠也がいった。
「まだ早い」と俺はいい、さらにペニスを強く押し込んだ。
「あッ、あッ、あッ」
 と腰を振るたびに俺は声を漏らしてしまう。
 俺は誠也の乳首を触りながらどんどん興奮していった。
「うおおおおおおおッ!! 出るッ、出るぅッ!!」
 俺は叫び、次の瞬間、
「うおッ、うおッうおおおおおおッッ!!」
 と射精した。
 同時に誠也も射精したようで、床が白濁した液体で汚れている。
 まだまだ全然物足りない。
 性欲はなかなか満たされない。
 俺が今度は下になり、仰向けになって誠也を抱き上げ、そのままペニスを誠也のアナルに挿入して腕の力を抜いていくといやでも誠也のアナルにペニスがズボズボ埋まっていく。
 激しい痛みと快楽に、
「あッ、あああッ、あ、ああああ……」
 と誠也は叫ぶ。
 俺は誠也の体に脚を絡め、腕で乳首を弄くった。
 ドシュッ、ドシュウウウウ!! と精液がペニスから凄い勢いで放出される。
「うおぉ……」
 射精した瞬間、快感に脱力したようになるが、またみるみるうちにペニスは立ち上がる。
 すごい勃起力だ。
 もう少しで狼男へ変身するからだろうか。

 夜になると激しい動悸がして、痙攣したように体がなかなか動かない。
「月を、月を、見せろ」
 俺は床を這い、カーテンを開けた。
 瞬間、月の光が全裸の肉体を照らし、体の奥から「ゴォォォォォ」ととてつもない力が湧き出てくるのを感じた。
「うぉぉぉぉおおおおおおおおォォォッ!」
 いつのまにか咆哮していた。
 ボキッ、ゴキッ、といいながら骨が変形していく。
 ミシミシと音を立てながら筋肉が盛り上がっていく。
 そして、俺は狼男に目覚めるのだ。
 血ガ欲シイ……肉ヲく喰ライタイ……。
 俺の体が人肉を猛烈に要求して、俺自身の心も。
 俺にはもう人を喰うのに何の躊躇もなかった。
 ただ、肉欲が満たされさらなる進化を遂げることができるのなら、むしろ積極的に食べていきたいくらいだった。

 俺たちは夜の街に飛び出し、肉を捜し求め街を徘徊する……。



気づかぬうちに……

毒の電波 短編
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■本文
0『狼男化実験』
6月12日、ある携帯電話販売店に、「毒電波」と呼ばれる男の狼男化を促す電波を発する機械が秘密裏に設置された。社員は誰も気づいていない。これを設置した団体はまずはこの小規模な実験で機械の効果を確認しようとしていた。
6月12日〜25日が実験第一段階。微弱な毒電波を送ることになっている。
6月26日〜7月5日までが実験第二段階。強力な毒電波で一気に狼男化させる予定であった。

1『毒電波に侵され始めた職場に復帰する』
(狼男化実験第一段階)
(毒電波による男のゲイ化&肉体の些細な発達)
今日は6月19日だ。
俺が携帯電話販売員として仕事を始めて半年がすぎようとしていた。この仕事は予想していたよりハードで、ノルマがあるし、裏で先輩にきついことをしょっちゅう言われたりするが、どうにかこのまま仕事を続けていけそうだ、と思った。
「おはようございます」
と言って俺は今日も仕事場に出勤。上司である一樹という男に一番に挨拶をする。
「ああ、おはよう。久しぶりだな」
と一樹は言う。俺は新入社員で20歳だが、それほど年齢は変わらない。相手は23歳だ。一樹はハンサムな顔をしていたが、俺はゲイではないからなにも感じない。ただ、カッコいいなあ、と思った。
――実はいうと、ここに来るのは一週間ぶりだ。
6月12日から特別研修というのがあり、入社一年未満の社員の一部は接客の心得や技術などを学ぶ期間があるのである。
こんなものがあるのは、俺の働いているところくらいらしい。かなり接客に力を入れている、ということだ。期間は5日間なのだが、休日が重なって一週間も会社に行かないことになった。
6月12日から6月18日まで会社に行かずに済んだ、というわけだ。かなり幸福なことである。
研修はだるかったが、働くよりはよっぽどよかったから嬉しかった。そのぶん、今日は久しぶりなので気が重かった。
「よっ、研修はどうだったか?」
とまたしても一樹。今日はいつもよりやけに馴れ馴れしい。
「ああ、まあまあですよ」と俺は笑う。正確には愛想笑い。「それより、竹下さん(一樹の名字である)髪だいぶ切ったんですね」俺は一樹の短髪になってサッパリした頭を見て、言った。
短髪といっても決してスポーツ刈りとかではなく、耳に髪の毛が少しかかる程度の長さである。この前まで耳がすっぽり隠れていたくらいの長さだったのだが。短い方が似合っていた。
「よくわかったな」
と一樹は笑った。いつもより馴れ馴れしい上に機嫌が良い。一体俺がいなかった間に何があったんだ? しかも、――。
しかも、よく見ると一樹の身体が前より大きく見えた。こんなにガッチリした男じゃなかったと思うんだが、単なる俺の思い違いだろうか……?

2『異様な職場』
(狼男化実験第一段階)
(男の完全なゲイ化。筋肉量・性欲・生殖器の発達)
6月24日。
最近、やたらと一樹の視線を感じるようになった。そして、俺もなぜか一樹のことが微妙に気になってきていた。明らかになにかがおかしかった。
昨日の夜、久しぶりに一日に二回オナニーした。就職してから、疲労により一日か二日、あるいは三日に一回だけするようになっていたのだから、これは珍しいことであった。
今日の朝、裸になって自分の身体を鏡で見たら、前より少し筋肉質になっていたので驚いた。
今も、オナニーしたくてうずうずしている。昨日の夜二回もしたというのに。仕事に集中しようと思っても、ペニスがむくむくと起き上がりそうなので出来ない。うっかり、くだらないミスをしてしまった。いつもなら裏で一樹に叱責されるのだが、今日はなぜかされなかった。逆に、一樹に顔や身体をじろじろ見られ、
「次は気を付けろよ」
と言われただけであった。
やっぱり何かがおかしい。
他の同僚の男も気になるようになった。が、一番気になるのは一樹だった。あのきりっとした二重。切れ長の眼。真っ直ぐの鼻筋。薄い唇。最近、なぜかやたらと逞しくなっていっている、あの身体も好きだった。俺は体格のよい男が好きだった。
ところで、俺はいつからこんなにもゲイになってしまったのだろうか。
職場に行くたびに、俺は少しずつ変わっていっている気がするのだが、これも単なる思い違い? そうとは思えなかった。
一樹を見ていると、ペニスがビンビンに勃起してしまった。客が来たから、立ち上がって「いらっしゃいませ」と言い、予約番号を知らせないと駄目だと言うのに、これだと立ち上がれないではないか……。そのとき、一樹が後ろからやってきて、俺の役割を代わりにやってくれた。そのあと、一樹は俺に近づいてきて、耳元でそっと、こう言った。
「助けてやった礼をしろ。昼だ。俺んところに来い」
今日は昼食の時刻が一樹と一緒だった。
言われていたように、一樹の元に訪れると、開口一番、
「トイレ行かないか? 俺、さっきから我慢してるんだよな」
と言われた。
思わず笑ってしまった。トイレ、という言葉が間抜けな響きに聞こえたからだ。
トイレについていくと、鍵を閉めた。
ここのトイレは、個室ではなく、トイレに入るドア自体に鍵が取り付けられている。一樹は息を荒げながら俺の身体に抱きついてきた。思わず、ビクっとしてしまった。首に一樹の、ハアハア、という息が吹きかかる。俺まで勃起してしまった。我慢できないというのは、こういうことだったのか。
一樹を俺のネクタイを緩めながら、首をべろりと舐めた。俺は股間に屹立したイチモツをズボンの上から相手の脚に擦り付け、舌と舌を絡ませ合った。唾液が糸を引いてスーツに少しだけ付着した。
俺も一樹のネクタイを緩め、強引にシャツとスーツを脱がせた。お互いに上半身裸になると、俺たちはお互いの肉体を見て嘆息した。一樹は見違えるように逞しい身体になっていた。俺の肉体も一樹とまではいかないが、かなり変化していた。
一樹の乳首を右手で弄くり、左手ではズボンの上から一樹の勃起しているペニスをまさぐった。勃起は最高潮になり、ペニスは石のように硬くなった。
いよいよ本番だというとき、コンコン、とドアがノックされた。
「まだっすかー?」
というほかの社員の催促のノックだった。
俺たちは大慌てで服を着て、なんでもないように装ってトイレから出た。
目茶苦茶興奮していたところだったので、性欲はますます高まり、社員がトイレを済ましたあと一人でもう一度トイレに入り、個室で怒張したペニスをしごき上げた。
「うっ、ううっ、うぉっ」
三度もイった。ペニスは心なしか前より大きくなっている気がした。射精しても性欲は簡単に収まらず、ムラムラしたまま午後の仕事をこなした。

3『性欲処理の悩み』
(狼男化実験第二段階に突入)
(性欲・筋肉量・生殖のさらなる急激な発達)
(体臭が増し、体毛が濃くなる。精液量の増加)
6月30日。
職場にいるのはかなり快適だった。職場にいるだけで、なぜか気持ちがすごく良くなり、性欲は促進された。しかも、最近なにもしていないのに肉体がどんどん筋肉質になり、今ではムキムキな体型になったのだが、その変化も促進される気がするのだ。
この職場に努めている男は皆例外なく体格が良くなっていた。そのため、女性社員に「みんなで仕事終わったあとジム行っていたりするんですかー?」と笑われたりした。そう聞かれると答えに詰まり、曖昧に笑って誤魔化した。まさか「勝手に身体が逞しくなっていくんだ」なんて口が裂けても言えない。
俺と一樹は暇さえあればトイレで抱きついたり、オナニーして射精したりを繰り返していたため、トイレは精液の臭いが常に充満するようになった。他の男たちもどうやらそこでオナニーして性欲を少しでも発散させようとし、仕事になるべく支障が出ないようにしているらしかった。
俺は家で毎日7回〜13回程度オナニーするようになっていた。そうしなければ落ち着かなかった。異常な性欲だった。
休日、一樹に「俺の家に来ないか?」と誘われた。「行く」と即答し、俺は家を飛び出した。
一樹の家のドアを開けると、誰も出てこなかった。恐る恐る家に足を踏み入れ、廊下を歩くと、突然ドアが開いて一樹に襲われた。驚いて「うわっ」と声をあげてしまった。
一樹は裸だった。ペニスを見事に勃起させて、俺の衣服を獣のように剥ぎ取っていった。そこからはジェットコースター式にファックし、精液を飲みあって「美味い、美味い」と愉悦に浸った。

4『狼男への覚醒』
(狼男化実験第二段階)
7月10日。
仕事はほとんど手につかなかった。常にペニスがギンギンに勃起し、それどころではなかったからだ。スーツは身体がかなりでかくなっていたため窮屈だった。他の男子社員も同様だった。
職場がなぜかあまりにも気持ち良く、自分が解放されるような気分になるため、俺と一樹は今日職場で泊まると言った。すると、他の男子社員もそうすると言った。
俺は我慢できず、全裸になって一樹を無理矢理ファックした。男子社員はそれぞれお互いをファックし始め、あっという間に乱交状態になった。何度も何度もイっても性欲は止まらず、精液は止まることがなかった。最高だった。射精を繰り返すごとに、俺のペニスは大きさを増していった。赤黒く変色し、太い血管を絡ませ、極太長大ペニスへと進化していった。
「うっ、うおっ、うおおおおおおっ」
一樹とヤってるとき、俺は身体に電撃が走ったような痛みを感じ、床にうずくまった。息は荒くなり、ペニスは白濁した液体にまみれながら強烈に勃起していた。
「ぅ、ぅぅううう、ぉお、うおおおおおおおおおおおお――っ!!」
ドシュっ!ドシュっ!ドシュウウウウウウ!!
ペニスから大量に精液が飛び出す。今までにないくらい大量だった。
き、キモチイイ……。
そのときだった。
胸板にぐぐぐ、と力が入ったかと思うと、メリメリメリ、と音を立てながら、胸筋はどんどん盛り上がっていき、分厚く大きく張り出した胸板が完成した。それに合わせて、ブシャアアっ!と射精してしまう。筋肉の発達には激しい快感を伴った。ペニスはビクンっ、ビクンっ、と反応している。
次に腹筋が見事にボコボコに割れた。手で触ると凹凸がはっきりと分かり、興奮した。肩には筋肉が隆々と盛り上がり、威圧感を与えた。肩幅が広くなり、腕はぶっとくなり、血管が浮き出た。少し力を入れると、丸い力瘤が出来た。腰や尻は引き締まる。肌の色は浅黒く変化していく。脚には丸太のように太く、脹脛も逞しくなる。ペニスはビクビクと動きながら見事に反り返っている。
「す、すげえ、すげえよ、俺……」
思わず自分の筋肉が隆々としている逞しい肉体に見惚れた。ペニスの大きさもかなり増しており、24センチとすげえ巨根になっていた。せわしなく自分の筋肉を触り、確かめた。俺の逞しい肉体をじっと見つめオナニーのオカズにしていた一樹も、次の瞬間には俺のような肉体に進化した。
俺は、
ドスッ!
と勢いよく一樹のアナルに俺のでかいイチモツを挿入し、腰を激しく振った。生温かい肉に挟まれたペニスの快感に俺は悶絶した。
「うっうっうっうっうっ……」
「イク、イクっ、っ……」
そして、ペニスが一瞬さらにぶっとくビクンっ、と反応したかと思うと、
ブシャ!ブシャッ!!ブシャアアアアアアアア――ッ!!!
俺のモノとは思えないほどの精液が飛び出した。射精は30秒ほども持続した。ドクドクドクドク……と俺の射精した精液はアナルに入りきらなかったようで、尻を伝って床にボトボト落ちた。
「ハア、ハア、ハア」
凄まじい射精をしても、俺のチンポはビンビンだった。性欲もまったく収まっていない。
そして、鏡に映った自分の姿を見ると、そこにいるのは狼男だった。
「お、俺、なの、か……?」
どう見ても俺だった。逞しい胸板、ボコボコに割れた腹筋、ビンビンに勃起し精液を先走らせている特大ペニス、盛り上がった肩、引き締まった腰と尻、ぶっとい腕と脚……。その筋肉を余すところなく茶色の剛毛が覆い尽くしている。頭は狼そのものだった。
「はは、はははははははははははっ!」
笑いがとまらなかった。とにかく、快感だった……



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